お知らせ

スマート農業推進協会からのお知らせ

家に居ながら圃場管理も可能!? ドローンで農業にイノベーションを

スマート農業推進協会
オンライン講座
2020年6月25日19:00〜20:00

<今回のゲスト> ※敬称略
■安藤光広氏(セキド宮崎中央・代表取締役社長)
https://susc.jp/membership/sekidogroup/mzc/
<ファシリテーター>
■稲田佑太朗(一般社団法人こゆ地域教育研究所・代表理事)

専門家から直接学び、スマート農業をもっと深く知っていこう! と開催しているオンライン講座。今回のゲスト『セキド宮崎中央』の代表取締役社長・安藤光広さんが考える10年後の農業は、「ドローン撮影中の映像を家で見ながら農業する」なんてことも夢ではないと言います。さて、その根拠はどこに?

ドローン撮影画像は2秒間隔で約500枚! 加工して1枚の画像で解析

「どうして農業はこんなに人手がいるのだろう」
「農業を楽にするにはどうしたらいいのだろう」
生育状況の管理や作付け調査など、ドローンを活用した農業サービスを展開中の『セキド宮崎中央』の安藤光広さん。農家に3兄弟の長男として生まれ、幼少時代から貴重な働き手だったそうで、子どもながらにこんな風に考えていたそうです。

ラジコン好きからドローンの素晴らしさに目覚め、ドローンを活用した様々な業種へのサービスを行ってきた安藤さん。農業に関しては、ドローンによる生育状況管理を中心にサービス提供と同時に新たなシステム開発に取り組んでいます。

<ドローンによる生育状況管理の流れ>
⒈ドローンで撮影する範囲を選定
⒉ドローンで空撮 ※2秒間隔で500枚の画像を撮影し1枚に加工する
⒊弊社のドローン画像解析システムにアップロード
⒋一定時間後にAIによる見える化された画像をウェブ上で確認可能

田んぼでドローンを飛ばし、撮影した画像で生育状況を確認する

生育状況は、作物の葉の反射率によって色分けされ、見える化されます。今はイネやタバコで管理の受注があり、生育状況は農家さんに報告し、原因や対策を共有しているそうです。

圃場に足を運ばなくても生育状況が把握でき、作業が効率化。またピンポイントで農薬散布や施肥ができるため、効率アップと同時に節約や環境への負担を減らすことにもつながります。

ドローンのデータと農家の見解が見事一致! データに勝る農家の知見も

同社の紹介が終わるとオンライン視聴者からの質問が多数上がってきました。ファシリテーターの稲田が代表して安藤さんに質問し、さらにドローンへの理解を深めました。

Q.ドローンとラジコン飛行機の違いは?
安藤さん:コントローラーから手を離して墜落するのがラジコン飛行機。ドローンは手を止めても空中で止まってホバリングし、落ちません。GPS搭載かどうかの違いですが、これによりドローンの操作性は非常に高まりました。

Q.ビニールハウス内でもドローンを飛ばすことは可能ですか?
安藤さん:可能です。ですが、障害物が結構あるので、プロペラを覆うガードを装備して、当たる前提で飛ばす必要があります。スマート農業への活用という点では、まだ難しい段階です。

社員と共に。店内には様々なドローンを展示中

Q.今の課題は?
安藤さん:農家さんから「ドローンで虫を検知して欲しい」と言われ、システム開発中です。ドローンで作物から10メートルのところまで近づいてみたのですが、虫を映すことができなくて…。作物から2メートルまで近づく必要がありそうですね。虫は葉の裏にもいるので、横からの撮影も必要かと思います。

Q.農家さんと連携しながら、どんなことを感じていますか?
安藤さん:ドローンの画像から得たデータが農家さんの見解とぴったり合うことも。一方画像解析から追肥の提案をした時に、「ここは地力があるからいらない」と農家さんがおっしゃって、結果として農家さんの見解が合っていたこともありました。データとして現れない部分で農家さんの力を実感したところです。

Q.やはり農家さんの知識や経験はすごいんですね。
安藤さん:おっしゃる通り。今後はそういった部分も見える化に取り組み、もっと幅広い人たちが農業にチャレンジできるようになるといいですね。協会のビジョンにあるような“100年先も続く持続可能な農業の実現”につながるのではと思います。

Q.未来の農業はどうなっていくと思いますか?
安藤さん:朝起きて、ご飯を食べながらドローンを圃場に飛ばし、モニターで画像を見ながら農業する。そんなやり方ができると思います。私も10年後、そんな農業をやっていたいです。

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『セキド宮崎中央』では、国土交通省へのドローン飛行許可・承認申請時に必要な「技術認証」を発行できるドローン講習会も実施しています。
ドローンの専門家から見るスマート農業の世界は、農家へのリスペクトとドローンに対する期待感でさらに輝きを増していきそうです。

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