楽しく・稼ぐ農業を実践者から学ぶースマート農業サミット2020 イベントレポート
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)は、2020年8月21日(金)にJAグループが運営する「大手町AgVenture Lab」と、「スマート農業」に関するオンラインイベント「楽しく・稼ぐ農業を実践者から学ぶースマート農業サミット2020」を開催しました。
事前申込数は400名を超え、イベント当日はYouTubeでライブ配信を行い、200名弱の視聴者が参加するなど関心の高さ、熱量を感じました。登壇ゲストに農水省、ENEOS、現役農家などのスマート農業関係者らを迎え、農業の未来について語り合いました。
イベント概要
<日時>
2020年8月21日(金)13:30-17:00<形式>
Youtubeでライブ配信
<内容>
開会の挨拶:司会者「スマート農業推進協会に関して」
齋藤 潤一(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 / スマート農業推進協会)
共催のAgVenture Lab紹介
荻野 浩輝(一般社団法人 AgVenture Lab 代表理事 理事長)
オープニングセッション
「いま、日本のスマート農業に必要なこと」
パネルA「ロボット活用から広がる農業の未来とは」
パネルB「小規模農業でのスマート農業の可能性」
パネルC「地方におけるスマート農業の実情や課題」
パネルD「稼ぐ農業を地方で実現させるために必要なこと」
振り返り
閉会の挨拶
オープニングセッション「いま、日本のスマート農業に必要なこと」
産官学の垣根を越えた動きがはじまる
2018年よりこゆ財団はスマート農業への取り組みを進め、昨年2019年10月一般社団法人 AgVenture Lab とイベントを開催しました。そして同年、宮崎県新富町にて、新富町がこれからスマート農業の技術開発、人材育成の一大集積地に、という決意表明を含めたスマート農業サミットを開催し多くの関係者とともに、産官学の垣根を越えた動きがはじまりました。
テクノロジーの活用、企業と地域の農業を融合させることを通じて持続可能な農業を目指していくことを目的として一般社団法人 AgVenture Lab、一般財団法人こゆ地域づくり推進機構両者で連携協定を締結しました。
”相互扶助” ”結”の精神を大切に
(写真左)荻野 浩輝氏(一般社団法人 AgVenture Lab 代表理事 理事長)
(写真右)齋藤 潤一氏(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 / スマート農業推進協会)
進行の高橋より、スマート農業推進協会が設立された背景について問われ、一般財団法人こゆ地域づくり推進機構代表理事の齋藤氏は語ります。
齋藤氏:ただ働くだけでなく、世のため人のために何ができるのかを考えてつくったのがスマート農業推進協会です。いま、スマート農業が全世界から注目されてきている。僕らとしては(荻野氏/ AgVenture Lab)と精神性が似ていると思います。
荻野氏:色んなひとが集まってってのは、まさにオープンイノベーション。助け合い、相互扶助、結いの精神を大切にやっていきたいと思います。
持続可能な農業を目指すためのひとつのモデルとなる
Q.まず何から取組んでいきたい?
進行より、日本の農業が持続可能なモデルになるために必要なことと同時にこれから必要な農業の要素について問いがあった。
荻野氏:お互いのもっているものをシェアしながら、ネットワークをつくっていければ良い。AgVentureLabで繋がったスタートアップが地方で実証実験したい際に協力したり、新富町のスタートアップがJAグループを使って全国に展開していく際にご協力できたらと思います。
齋藤氏:登壇するゲストが面白そうだと、ワクワクするなと思っていました。苦しく儲からない農業から、楽して稼げる農業を実現できればいいなと思っていますので、締結がゴールでなく、ここからがスタートだと思っていますので、みんなどんどん巻き込まれていくといいと思います。
2団体の代表のトークセッション が終わり、このイベントに招聘したゲストたちがそれぞれのテーマで話し合った。
パネルA
「ロボット活用から広がる農業の未来とは」
テーマ:イノベーション×アグリテック
(写真右上)高橋 慶彦氏(AGRIST株式会社 / スマート農業推進協会)
(写真右下)関 悠一郎氏(ENEOSホールディングス株式会社)
(写真左下)新居道子氏(パナソニック株式会社アプライアンス社事業開発センターアグリ事業プロジェクト)
進行から、新富町のベンチャー企業であるAGRIST株式会社とENEOSホールディングスの取り組みについて話した中で、パナソニック株式会社アライアンス社の新居さんに質問を行った。
Q.AGRIST株式会社やENEOSホールディングス株式会社の他社の取り組みについて、新居さんはどのように感じましたか?
新居氏:原点に返ると、なぜこのビジネスをしているかというところにもつながると思うんですけど、いち消費者としてなにが欲しいか、自分が求めているものを広げていきたい。そこに課題があれば解決していきたい。すべてはつながっていくことかなと感じております。頼もしくてなにかご一緒したいというワクワク感を持っています。
Q.新居さんのメッセージを受けて、今どんな風に感じているか?
関氏:我々の石油産業に対しても同じことが言えるんじゃないかと思っていまして農業に必要かどうかっていうだけじゃなくて普遍的な話かと。
Q.(農業にイノベーションは必要だというゲストの回答を踏まえ)AGRISTとしていまはどのような連携と共創をイメージしているか?
高橋氏:共通しているところで持続可能性というのが非常に大きなテーマとなっているんですけども、現状のままだと持続可能ではなくなってしまうという危機感。それを解決するためには、すごく大きな変革も必要ですし、それをかなりのスピード感をもって行動するってことが重要ではないかと思っています。わたしたちのスタートアップの強みはスピード感ですし、その一方で僕たちに足りないものはたくさんあって、いろんな方から力を頂きながら、あるいは連携しながら、一緒に目指す未来を共に創っていくということが非常に重要でないかと私は考えています。
新居氏:おっしゃる通りでして、今までは垂直立ち上げということで一社で一生懸命やるってことを過去やっていたと思うんですけど、そんな時代はもう終わりましてそれぞれの得意分野ってあると思うんです。我々パナソニックも大きい会社と見られがちですけれども、やはりスピード感であるとか小回りが利くことが得意かといったら全体から見たらちょっと弱いんだと思うんです。そういうところをご一緒いただける、また我々が持っていない技術、もしくは現場そういったところは横横でつながってやっていくことが結局は加速化していくことかなと思います。
関氏:まさに今、垂直という言葉があったと思うんですけど新規事業に携わってそこ(垂直立ち上げの時代は終わったということ)は本当に思っています。例えば、今私たちは営農型太陽光発電という技術の推進に携わっているんですけども、元々エネルギーの事業単体では解決出来なかった課題や、農業の事業単体では解決出来なかった課題が、それが合わさることで解決できるんじゃないかと思います。
Q.新富町という小さな町で自動収穫ロボットの開発が行われることはどのようにうつったか?
関氏:今回協業させてもらうまで、宮崎県新富町という町自体知らなかったです。新富町という町が小さな町という印象はなくてですね、目指しているところも大きなところで、取り組みの活動と新富町という実際の規模は結構イメージと違ってですね
Q.ENEOSさんのような企業の方が、今回自分たちと一緒に、ということに対して当初どんな印象だったか?どんな可能性を感じたのか?
高橋氏:当初は信じられない、というのもありましたね。ひとつのビジョンに向かってお互いの持っている強みを掛け合わせて実現するとことにワクワクして、エネルギーってすごく重要なポイントと思っています。未来の絵がたくさん出てきて、ENEOSさんと色々話ができて今もワクワクしています。
Q.農業を「稼げる農業」にするためにはパッションが必要ということですが、なぜそのように考えるのか?
新居氏:とにかくやるんだ、という気持ち先行型でいかないと色んな方を巻き込んでというかたちには至らないので熱意が重要であると思います。まさに自分が欲しいという想いが熱意になってるんじゃないかと思います。
Q.スマート農業についてひと言
新居氏:がんばっている努力の可視化をして、より良いもの品質の良いものを作ることに取り組んでいます。仲間、チーム作りをしたいと思っているので宜しくお願い致します。
関氏:農業従事者を桁違いに増やしていきたいと思います。今まで想像できなかったようなスキームとか事業を通して、色々なパターンで、自分は農業をやっているんだと言える人を増やす仕組みづくりをしていきたいです。
高橋氏:今日のキーワードだった持続可能な社会のゴール地点で私の中に世界平和があってですね。食というものを安定的に人類に対して平等に提供していくシステムを作る上でスマート農業、テクノロジーは非常に重要な役割を果たすと思っています。人それぞれが持っているワンピースをもちあわせてひとつの絵を完成させるまさにチームを作っていきたいと思うので、一緒にぜひやりたいという方はこの状況下ですけれども、ぜひ新富に来ていただきたいと思います。
パネルB
「小規模農業でのスマート農業の可能性」
テーマ:小規模×スマート農業
(写真右上)長岡 康生氏(株式会社ヴァカボ)
(写真右下)猪俣 太一氏(新富町きゅうり農家)
(写真左下)井本喜久氏(The CAMPus 代表理事)
日本の農業は、大規模で行っている農家は多くない。その中で、小規模農業を行っている農家さんがスマート農業についてどう活用できるか各専門家からお話を伺った。
Q.小規模農家の課題は?
猪俣氏:新たなチャレンジへのリスクが大きい。農業系の機械だとか新たなチャレンジをしようとしたら、10万20万、大きいときには100万単位で消費しないといけないんですけど、そのときに、足踏みしちゃうひとと、大きい農家さんならそれくらいポンっと出すよというようにチャレンジできるひとの差は今後大きくなってくるのかなって考えています。
Q.オンラインスクールを運営している立場から見た人材育成における課題や、可能性は?
井本氏:小規模農家には可能性があると思っています。でもほとんどの農業の現場っていうのは、大きい規模の農家と小さい規模の農家っていうのを混同して話しているのがすごく多いんじゃないかと思うんです。小さい農業のやり方ってレバレッジ利かせていかないと。だから都心部に生きるビジネスパーソンたちにどんどん農村に入って、ビジネスの感覚でマネジメントをしながら仲間たちと一緒に色々組み合わせていって新しい働き方みたいなものをデザインできれば、小規模農家こそこれからの未来につながっていると思ってますけど。
Q.小規模農業で稼ぐために必要なことは何か?
長岡氏:(小規模農家であることを)強みにしないといけない。小規模農家だからこそ消費者と向き合える、発信することができると思うんですね。なので伝える力を養うということが重要じゃないかと思います。
井本氏:作る現場のテクノロジーももちろん必要なんだけど、それと合わせて売る現場のテクノロジーもめちゃめちゃ必要になってくると思うんですよね。誰に届けるのか誰に食べてもらいたいかまでデザインを農家がするべきなんですよ。
猪俣氏:(井本氏のコメントを受けて)新規の子たちも今後農業界に参入する人たちも6次化までしたかったらきちんとそこまで見据えて品目を選ばないと。きゅうりに関しては6次化はかなり厳しい分野って言われているので。情報収集は大事だなって思います。
Q.新規就農をしたいというひとたち、どんな人材が集まっているか?
井本氏:シンガポール、オーストラリアから参加しているいずれも日本人なんですけど、小さな規模で農業をやりたい、地方に移住してなにかやりたいというひとたち、経営者層がだいたい3割、サラリーマンが5割あとは専業主婦とか学生とかそのような構成ですね。都市に生きるひとたちが「農」を求める時代に突入してきているっていうのはすごい実感がありますね。
Q.農を求める背景は?
長岡氏:東京は特にストレス社会になっている。自然に触れたい欲求ってあるんだろうなと。食育マルシェとかで企業の総務の方と話すと、研修と題した農体験をやれたらいいのにな、という声を聞くんですよね。みんなで農家に行って一致団結してワイワイやって帰ってくるといったサービスがあるとけっこう皆さん行けるのかなと。それくらい皆さんストレスが溜まっているのかなという風に思います。
Q.それを受けてどのような印象か?
猪俣氏:(農業は)依頼と収穫の部分だけフィーチャーされるんですけど、準備から片付けまでが農業なんで、いざ農業に参入するとなるとまずはCAMPus(キャンパス)さんとかで体験して、学んでみないと、地方に来て、いきなりはじめると大変な目に遭うと思います。
Q.スマート農業に取り組んでみて何がどう変わったのか?
猪俣氏:スマート農業を導入することで、今まではビニールハウス2か所に行かなければならなかったのが、スマートフォンひとつで一括管理ができる。農家は240日くらい収穫しているんですけど、(スマート農業導入によって)1日10分時間が空く、240日かける10分が1年間で空くということなんで生産現場や栽培技術の方に費やす時間にあてたりできるから効率的になったと思います。
Q.ネットワークの重要さをどう現場に伝えようとしているか?
井本氏:今までは競い合うみたいなところがあったわけですよ、今はシェアできるひとたちでもっと農村に足を向けて欲しいと思う。横のつながりがある中で農作業をしているときって、孤独じゃないし面白いと思うんですよ。電話1本でわからないことを誰かが教えてくれるっていうようなつながりっていうのはマストだと思います。情報を発信していくってことがカギなんじゃないかと思いますね。
猪俣氏:情報をとりたかったら、自分も出そうよっていうスタンスが今の20代30代の農家の考え方かと思います。
Q.なぜパッションをお持ちなのか?
長岡氏:農業の分野が、伝えることにおいて前時代と感じ、旗上げてそこにパッションがあるという感じですかね。
井本氏:農という文化価値みたいなものを因数分解すると、「農」「暮らし」という要素がある。若者たちに向けて、農的な商い、農的な暮らし両方やろうぜ、農的な文化に浸ってみようよっていうのを僕はメッセージしています。
猪俣氏:暮らしそのもので農業を考えている部分があると思います。地方で生きることが全てではあるので、(住む町が)いい状態にあった方が僕たちも住みやすいなって思いで農業をやっているところがある。
パネルC
「地方におけるスマート農業の実情や課題」
テーマ:地方×持続可能な農業
(写真右上)安藤 光広氏(株式会社安藤商事/SEKIDO宮崎中央)
(写真右下)坂本 一弘氏(本田技術研究所)
(写真左下)上原 郁磨氏(SBテクノロジー株式会社/リデン株式会社)
地域の農業従事者と連携しながら農家を支援している各企業から、それぞれの知見を集めました。
Q.持続可能な農業を実現するために第一歩として何が必要か?
上原氏:経営に時間を費やせるところ。経営において余白の時間をどうやってつくるかというところがひとつのポイントかなあと思います。
坂本氏:自立できる経営を実現すること。ビジネスになっていくその中でITや機械の力も必要なんじゃないかと思っています。
安藤氏:小さい面積で効率良く収量を上げるための行動。夜にロボットに仕事をさせて昼間人間が監視をするということができれば今1枚の田んぼを育てていた方が2枚の田んぼを育てられるんじゃないかということを目標に考えています。
Q.課題解決の手段としての「ドローン」に対してどのような印象か?
安藤氏:ドローンによる植生の見える化をやってるんですけど、ドローンで見た目と農家さんの勘ですね、これがマッチしてものすごい感動してすごいと思いました。
Q.データ化をしていく上で感じることは?
上原氏:IT否定派でして、現場を回れば回るほどITでなくていいってことがたくさんあるんです。難しくない、今の業務に置き換えられる、かつ効率的にできるかをポイントとしておくと現場がそのままスマホに置き換わると思います。そこを目指しています。
Q.持続可能な農業を実現する中で、スマート農業の課題は?
上原氏:誰のなんの課題解決なのか、課題のインサイトはなにかそれに対するアプローチがまだまだ突き詰められてないものが多い。課題が明確になっていればアプローチ方法はいくらでもあるので、ソリューションがどうとかっていうよりもちゃんとした原因を把握できるかが肝だと思います。
坂本氏:投資対効果、導入コスト、ITリテラシー。投資をしないと機械が買えない。それが重くのしかかってしまって経営がまくいかないということもあったんでと思うんですね。製品として誰かの困りごとを解決できるというふうにならないといけないと思っています。
安藤氏:人員の省力化。人手を少しでも減らせればと思って色んな取り組みをまさにしている。生育のことをしっかりと管理して害虫が発生しているところだけに集中して労力が注げるんじゃないかと、一人二人三人と削減できるんじゃないかと肌で感じているところです。
Q.ドローンの将来的な活用は?
安藤氏:(農家さんが)自宅で植生管理ができるロボット的な役割ができたら、誰にでもできるというのがいいと思います。
Q.ソリューションだけでなく横につながっていくこと、連携の可能性についてどう感じるか?
坂本氏:広がりを持つためにつながりは必要。地元の方に薬剤の散布や水の管理だとか細かいところを見てもらっている、それによって仲間ともつながっている。
Q.今注目しているスマート農業に活用できるテクノロジーは?
上原氏:衛生データが安く手に入れることができます。家にいながら管理ができるのは上からものが見えるという世界において有効だと考えてます。分析スキルが増せば必ず実現できるんはないかと思っています。
坂本氏:自動運転関連技術、AIの進化によって可能性が広がっていくと思います。
安藤氏:植生調査。自宅にいながら収穫物の状況が一目瞭然でわかるようになるといんじゃないかと思います。
パネルD
「稼ぐ農業を地方で実現させるために必要なこと」
テーマ:地方創生×スマート農業
(写真右上)伊藤圭氏 (農林水産省 大臣官房政策課技術政策室課長補佐)
(写真右下)大関 優氏(株式会社NTTドコモ スマートライフ推進部フードテックビジネス担当)
(写真左下)吉開 祐貴氏(リアルテックファンド グロースマネージャー)
Q.スマート農業やアグリテックのどういうところに注目しているか?
伊藤氏:技術やサービスの費用対効果。導入コストに対してどう経営を良くしてくれるのか、労働時間を削減するのかなど具体的なメリットを農業者に示すことが大事だと思っており、農水省でも実証に取り組んでいます。また、データを使っていくことで、新しい農業の形、付加価値が高くなる、収量の高くなる、より持続可能な農業を目指していきたいと思います。
大関氏:生産~販売に至るまでのサプライチェーン改革。今までは課題ごとにソリューションがつくられてきたと思うんですが、複合的に組み合わさって違う価値、サービスを生んでいると切に感じます。
吉開氏:限界突破、インバランスの解消を実現できる。スマート農業には期待がかかっていると思っています。人口・労働力、農地、食糧供給など色んな限界がある、農業は食という領域で人命に貢献していると考えると供給量、効率の改善によって様々な限界を突破できると思っています。
Q.地方創生に会社として取り組む理由は?
大関氏:社会課題解決のための地域協創。インテリジェンスなサービス、エリアフリーでどこにいても使える活用できるというのが我々が関わる意義かと思います。エリアフリーであればあるほど、地域で眠っている事業の力とか、人々の力が引き出せると思います。良い変化を生むんではないかと思います。
吉開氏:地域には可能性が眠っているから。課題があるからこそマーケットがある。着眼していくとそれらの課題を解決するためには地域のベンチャーに投資をする、もしくは外からベンチャーやテクノロジーを誘致するという着地になったという背景があります。
Q.お金の流れをこうしていきたいというのはあるか?
伊藤氏:資金面では、農業のマーケットだけでなく、川下の流通とか消費とかマーケットがどう繋がってWin-Winのかたちを作りながらビジネスを展開していくか、そのための環境を整えていくかがは大切だと思います。
Q.企業が連携しやすい地域の特徴は?
伊藤氏:地域の仕事と暮らしをトータルで見られる自治体などコーディネータ役の存在やリーダーシップが重要ですし、企業にとっても組みやすい地域かと思います。
大関氏:先進的でチャレンジ精神が旺盛な風土、お互いのWinを分かち合える姿勢。産官学の三位一体、それぞれの個々の思いが地域との連携に大きく関わると思います。
吉開氏:挑戦心、パッション、危機感のあるヒトがいる。一番大きいのは当事者意識だと思っています。
Q.このパッションはどこから湧いてくるのか?
吉開氏:次の社会の在り方を食という分野からどう定義していくのか、当事者意識を持って課題解決に取り組んでいくことが自分のパッションです。
大関氏:毎日うまいものが食べられることじゃないかと思います。
伊藤氏:命を支える食と安心して暮らせる環境を未来の子どもたちに継承していくことが農水省のミッションです。引き続き全力取り組みたいと思います。
最後に
荻野氏:産官学プラススタートアップでしたが、特に農業者の方が入ったことが価値のある取組みだと感じました。今後も、多種多様なひとたちがパッションをもって集まってチームとしてやっていくことが理想だと思います。
今立ち向かっている課題は、目先だけでなく長い取組みが必要。それには高潔な意思が必要で、本日集まったメンバーを含めて、手に手を取って一緒に解決していきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
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