お知らせ

スマート農業推進協会からのお知らせ

農業の未来はITが拓く。産官が農家と伴走する時代へ

スマート農業の活用で、高齢化や人手不足など多くの課題を抱える日本の農業は、これからどのように変わるのでしょうか? IT技術を農業と融合する『株式会社オプティム』、AIを活用した収穫ロボット開発に取り組む宮崎県新富町の『AGRIST株式会社』、そしてスマート農業を推進する農林水産省から3人がオンラインで集結。それぞれが各々のアプローチで農家の思いに寄り添い、社会課題の解決に本気で取り組んでいる現状をシェアし合いました。

<スマート農業推進協会 オンライン勉強会>
開催日時:2020年7月29日(水)
テーマ:農業の未来予測、テクノロジーで課題は解決できるのか?「最先端の農業から予測するミライ農業」
~農水省MAFFアプリ×ドローン ピンポイント農薬散布×自動収穫ロボット〜

【講師紹介】※敬称略
■中坂高士
株式会社オプティム ビジネス統括本部農業事業部 サブマネージャー
https://www.optim.co.jp/agriculture/

■早瀬健彦
農林水産省 大臣官房政策課企画官
MAFFアプリ→https://www.maff.go.jp/j/kanbo/maff-app.html

■高橋 慶彦
農業ロボットベンチャーAGRIST株式会社 取締役COO 兼 人事・組織開発責任者
https://agrist.co/

農業の課題解決に挑む、産業界2社と農水省

株式会社オプティムは設立20年のITベンチャー企業。「楽しく、かっこよく、稼げる農業を実現する」をミッションに、情報やテクノロジーで農業分野に参入しています。
代表的なサービスは、世界初のドローンによるピンポイント農薬散布・施肥テクノロジー。これを活用して、残留農薬不検出という付加価値をつけた米「スマート米」を販売しています。

オプティムの中坂さんと大学時代の同級生だったという、農林水産省の早瀬さん。
今回は農水省が開発した、農業者向けスマートフォン・アプリケーション「MAFFアプリ」を引っ提げての登場です。

最後に、オンライン勉強会では数多くご登壇くださっている、宮崎県新富町のAGRIST株式会社の取締役COO・高橋慶彦さんも急きょ参加の運びに。多様なスマート農業関係者が集まり、貴重な意見交換の場となりました。

ミッションの実現にITをどう活かす?

オプティムのビジネスモデルは、
農家さんに技術を無償提供し、生産物を全量買取り。付加価値をつけて販売し、収益を分け合います。

Q.技術を無償提供して全量買取りなんて、夢のようなサービスでは?

中坂:全量買取りモデルは、スマート農業テクノロジーを普及するために必要なサービスと考えています。そこで、80兆円とも言われる食品市場をマーケットに、農家さんに提供したテクノロジーにより生産物に付加価値をつけて販売します。ピンポイント農薬散布や施肥によって、収量安定・形質向上、さらに残留農薬不検出というものは、生産者・環境・消費者みんなにやさしいサービス。ITやビッグデータを活用しながら今後はさまざまな販路も独自開拓していきたいですね。

▲オプティムのビジネスモデル

手元に欲しい情報が届く。農水省の農業者向けアプリ「MAFFアプリ」

視聴者からの質問を混ぜながら、スマート農業推進協会・稲田がインタビューをスタートし
ます。
Q.国の補助金情報など、農家さんが手元のスマホで即座に情報キャッチできるって画期的ですね。

早瀬:農家さんが生産する作物を登録すると、関連する情報が自動的に届きます。これまで補助事業の情報を知ったときには終了寸前だった、ということも少なからずあったようです。今5000人ほど登録があり、ご好評をいただいています。

中坂:MAFFアプリの利用者はどんな層ですか? 生産者からの質問や相談も受け付けるそうですが、利用状況はどうですか?

早瀬:40代の比較的若い世代が多いですね。今年5月にスタートしたばかりなんですが、質問や相談の件数は…今のところはそこまで多くありません。できればご意見やご相談を遠慮なくいただけると、施策にも反映できることがあるかもしれません。

ポイントはスマート農業の敷居を下げること、農家の本気に伴走すること

Q.農業の課題解決のために、どうやってスマート農業を推進していけばいいでしょう?

中坂:スマート農業の敷居をいかに低くするか、でしょう。初期費用が高いこと、新しいことへのチャレンジなど、農家さんにとって敷居が高く、導入がすすみません。しかし導入を進めてデータを蓄積していかないと、価値あるスマート農業のサービスは成り立ちませんから。

早瀬:確かにスマート農機などの導入コストは大きいです。導入すれば品質や価格が急激に上がるものでもありません。オプティムさんのように、ブランドを付加価値にしてビジネスモデルを構築することがポイントになると思います。

中坂:高橋さんは「完璧を目指さない」など、ポイントを押さえた開発を農家さんとうまくやられていますね。他業種からの参入者として、農業の難しさや特殊性ってどのあたりにかんじますか?

高橋:農業はつねに「自然相手」。農家さんたちは、台風などの災害を「どうしようもないことがある」といつも覚悟して取り組んでいるんです。リスクを背負って命がけでやっているんですから、私たちも相当な覚悟を持って参入しなければ、伴走はできません。

Q.最後にメッセージを。

中坂:スマート農業はポテンシャルが高い分野です。みなさんと会う機会があったら、ざっくばらんにいろんな話をしてみたいです。今後ともよろしくお願いします!

高橋:生産者さんはもっと儲かって然るべき。農家が稼げば地域は元気になります。みなさん、ぜひ力を貸してください。

早瀬:農水省として、まだまだやるべきことはあります。みなさんと分け隔てなく、持続可能な農業を実現していきたいです。ぜひMAFFアプリを登録して、ご活用ください!

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